Craft & Note 上達しない時間の意味
スランプは、誰にでもあります。けれど多くの人は、少しチャレンジしてみて、思うようにいかないと「才能がないから」「不器用だから」「向いていないのかもしれない」と、自分で結論を出してしまいます。でも、それは大きな誤解です。始めたばかりの頃、私たちは「グングン上達する自分」を想像しています。やればやるほど伸びていく。努力はそのまま結果になる。けれど現実は違います。やってもやっても、うまくいかない。昨日より今日のほうが下手に感じる日もある。すると、「上達しない」=「楽しくない」という状態に入ってしまう。粘土は楽しかったはずなのに、いつの間にか「陶芸は向いていない」という言葉に変わってしまう。でも、この時間は誰もが通る道です。練習と上達は、比例しません。むしろ、伸びる前には必ず停滞があります。私も陶芸を始めたころ、教室でその日に作ったものを壊して帰ることがありました。今日は何だったんだろう。愕然として帰る日もありました。何が悪いのかすら分からない。けれど、そこでやめなかった。一つずつ。本当に一つずつ。土の扱い方。力の入れ方。姿勢。呼吸。小さなことを積み重ねていくうちに、ある日ふと、粘土が応えてく...
