
この世の中には、
絶対的な価値観というものは存在しないと思っています。
「これをすると幸せ」
「これを持てば成功者」
「これができないと恥ずかしい」
「これがないと不幸」
私たちは普段、そんな言葉をどこかで信じながら生活しています。
しかし、その価値観は本当に自分のものでしょうか。
これまで自分が経験してきたこと。
人から聞いた話。
テレビやインターネットで見た情報。
そうしたものが頭の中で混ざり合い、
思考のミキサーでシャッフルされ、
いつの間にか「自分の価値観」のように感じているだけかもしれません。
だからこそ、ときどき立ち止まり、
自分の考えを疑ってみることが大切だと思います。
反対から見てみる
もしそれが表側の考えだとしたら、
その裏側にはどんな見方があるのか。
少しだけ角度を変えて、
反対側から眺めてみるのです。
デザインの世界では、
∪のような波の形も、
裏側から見れば∩という山の形になります。
陶芸でも同じです。
お皿の型をつくるとき、
∪の形の器を作るためには、
逆の∩の形の石膏型を作らなければなりません。
ものづくりでは、
常に「逆」を考える視点が必要になります。
表だけを見ていては、
本当の形は見えてきません。
人生や価値観も、
それとよく似ているのだと思います。
子供の頃は、
「~したい」と素直に考えることができます。
ところが大人になるにつれて、
「~すべき」という言葉が増えていきます。
社会の常識や他人の価値観が少しずつ重なり、
知らないうちに
自分の考えのようになっていくのです。
そして気がつけば、
本当の自分とは少し違う方向へ
歩いていることもあるかもしれません。
自分の価値観
だからこそ、ときどき立ち止まり、
自分の価値観を見直してみる。
世の中に絶対の価値観はない。
そう思ってみるだけでも、
見える景色は少し変わってきます。
表だけではなく、裏側を見る。
当たり前と思っていたことを、
もう一度問い直してみる。
そうすることで、
自分の中に眠っていた
本当の「~したい」が
少しずつ見えてくるのではないでしょうか。
自分の価値観を疑うことは、
自分を否定することではありません。
むしろ、
自分を取り戻すための
大切な問いかけなのだと思います。

