
陶芸を始める前、
私はいろいろ探していました。
ものづくりをしたい、という気持ちはありました。
けれど、自分に何が向いているのかは分からなかった。
外に答えがある気がして、
どこかに「これだ」と思えるものがあるのではないかと、
自分探しのような時間を過ごしていました。
そんなあるとき、
ふと過去を振り返りました。
子どものころ、粘土遊びが好きだったこと。
小学校で陶芸クラブに入っていたこと。
窯から器を取り出した瞬間の、あの喜び。
熱の残る空気の中で、
自分の手でつくったものが形になっていたあの感覚。
思い出したとき、
不思議と腑に落ちました。
探していたのは、新しい何かではなく、
自分の中にすでにあったのだと。
自分探しとは、
外へ広げることではなく、
内側を掘ることなのかもしれない。
そう思った直後に、陶芸教室を探しました。
そこからの出会いは不思議なもので、
出会うべくして出会った師匠から、
必要なことはほとんど教わったと思っています。
けれど今振り返ると、
師匠との出会いもまた、
自分の中にあった種が動き出した結果だったのかもしれません。
人生は、
どこか遠くに水を探しに行くことではなく、
自分の中の井戸を掘ること。
深く、深く掘っていくと、
やがて水が湧く。
その水で、自分を満たしていく。
外から与えられるものではなく、
内側から湧き出るもの。
私は陶芸を通して、
それを学んでいる気がします。
自分は、探すものではなく、掘り下げるものだった。

