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Craft & Note

人生は削るほど形になる ― 陶芸から学ぶ選択・視点・感覚・時間 ―

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器づくりを続けていると、

技術だけではなく、

ものの見方や考え方を学ぶことがあります。

ろくろの前で起きていることは、

人生や仕事にも

そのまま重なることが多いのです。

私が陶芸を通して感じているのは、

四つの力です。

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一つ目、削る力

器づくりでは、

粘土をそのまま形にするわけではありません。

ろくろで形を引き上げたあと、

余分な粘土を削ることで、

器の輪郭が生まれます。

削ることで、

形がはっきりしてくるのです。

人生や仕事も同じです。

何かを手に入れるためには、

何かを選び、

同時に何かを手放さなければなりません。

やらないことを決める。

不要なことを削る。

そうすることで、

自分の形が少しずつ見えてきます。

二つ目、反対側を見る力

ものづくりでは、

一つの形には必ず反対側があります。

波のような∪の形も、

裏側から見れば∩という山の形です。

陶芸でも、

お皿の形は∪ですが、

型を作るときには

逆の∩の形を考えなければなりません。

表だけを見ていては、

本当の形は作れないのです。

人生でも同じです。

失敗も、

裏側から見れば経験になります。

遠回りに見えることも、

振り返れば必要な時間だったと

気づくことがあります。

物事には

必ず別の見方があります。

反対側から見ることで、

見える景色は大きく変わります。

三つ目、見ないことで見る力

ろくろを引くとき、

目で形を追いすぎると、

かえって歪んでしまうことがあります。

頭が先に動いてしまうからです。

逆に、

手の感覚だけで粘土に触れていると、

形は不思議と安定してきます。

指先が感じている

粘土の厚みや振動を

体はちゃんと覚えているのです。

私はこれを

「心の目で見る」と呼んでいます。

人生でも同じで、

目に見える情報ばかりを追いかけると、

本当に大切なことを見失うことがあります。

少しだけ目を離して、

自分の感覚を信じてみる。

そうすると、

今まで見えなかったものが

見えてくることがあります。

四つ目、待つ力

陶芸には、

どうしても待つ時間があります。

形をつくったあと、

すぐに完成するわけではありません。

乾燥を待ち、

素焼きをし、

釉薬をかけ、

本焼きをして、

そして窯が冷めるのを待ちます。

窯を開ける瞬間まで、

どんな器になっているかは分かりません。

けれども、

その待つ時間があるからこそ、

作品は完成します。

人生や仕事でも、

すぐに結果が出ることばかりではありません。

努力をしたあと、

静かに待つ時間があります。

焦らず、

次の工程を信じて待つ。

その時間が、

物事をゆっくりと形にしていくのだと思います。

四つの力

削る力。

反対側を見る力。

見ないことで見る力。

そして、待つ力。

これらは、

陶芸の技術というよりも、

ものごとの見方なのだと思います。

器づくりは、

土と向き合う仕事です。

しかし同時に、

自分と向き合う時間でもあります。

ろくろの上で起きていることは、

人生の中でも

静かに繰り返されているのかもしれません。

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