
陶芸には、いくつもの工程があります。
土を整える。
ろくろで形を立ち上げる。
乾かし、素焼きをする。
釉薬を掛け、本焼きを経て、ようやく完成する。
どれか一つだけでは、器にはなりません。
そして、それぞれの工程で気をつけることはまったく違います。
土練が甘ければ、形は安定しない。
成形で無理をすれば、乾燥で歪む。
素焼きが不十分なら、釉薬はきれいに乗らない。
ほんの少しの油断が、
次の工程に影響します。
陶芸では、器が歪むことがあります。
けれど、その歪みは突然生まれるのではありません。
どこかの工程に、小さな原因がある。
仕事も同じだと思います。
自分の工程だけを終わらせるのではなく、
「次に渡す」ことを意識する。
あと工程に、
しっかりとバトンを渡す。
丁寧に。
責任をもって。
そうして初めて、
チームとしてひとつの作品ができあがる。
それは器かもしれない。
システムかもしれない。
サービスかもしれない。
工程は違っても、
つくっているのは、同じ「形」。
自分の仕事が、
誰かの次の仕事につながっている。
その意識があるかどうかで、
出来上がりは大きく変わる。
私は、陶芸を通して
それを学んでいる気がします。

